エンジニアが個人でリスキリングに取り組む理由は、収入よりも技術習得やエンジニアとしての市場価値向上を目指すものが多いことが、メイテックが12月23日に発表した調査結果でわかった。
同調査は、同社が運営する「fabcross for エンジニア」が製造業系・素材化学系エンジニア600人を対象に、10月12日から11月23日にかけてネットリサーチにより実施したもの。
対象者の構成は、機械系285人、電気・電子系152人、制御・ソフトウェア系61人、素材・化学系102人。
所属企業が会社主導でリスキリングの取り組みを行っているかを聞くと、13.8%が「すでに取り組んでいる」と回答し、「これから取り組む予定」が13.0%だった。
会社主導のリスキリング取り組み状況を従業員規模別に見ると、「すでに取り組んでいる」との回答は301~500人規模が22.2%で最も多く、1001人以上が18.4%で続く。
リスキリングに対して興味があるか聞いたところ、「興味がある」が12.8%、「やや興味がある」が25.0%で、計37.8%のエンジニアがリスキリングに興味を持っている。
一方、「あまり興味はない」と「興味がない」を合わせた35.0%が、興味が無いと回答した。
将来に不安を感じる要素として自身のキャリア形成を選択した129人の回答者にリスキリングへの興味を尋ねると、「興味がある」が22.5%、「やや興味がある」が35.7%で、58.2%が興味を示している。
リスキリングへの興味を業種別に見たところ、制御・ソフトウェア系エンジニアは、「興味がある」(21.3%)と「やや興味がある」(27.9%)を合わせた49.2%が興味を持っている。 また、興味がないとの回答は計24.6%で、他業種と比べて最も少ない。
会社主導ではなく個人でリスキリングの取り組みを行っているか尋ねると、「すでに取り組んでいる」が7.7%、「これから取り組む予定」が18.8%で、計26.5%が取り組み済みまたは取り組む予定がある。一方で、「取り組んでいない」は46.8%を占めた。
個人のリスキリング取り組み状況を業種別に見たところ、制御・ソフトウェア系が「すでに取り組んでいる」(14.8%)および「これから取り組む予定」(32.8%)のいずれも最多だった。
従業員規模別では、301~500人規模の企業に所属するエンジニアが個人で取り組んでいるとの回答が15.6%で最も多く、501~1000人規模(13.0%)が続く。
301~500人規模の会社では、会社主導によるリスキリングの取り組みでも「すでに取り組んでいる」との回答が22.2%と、他の規模の企業と比べて多い。
年齢別に見ると、「すでに取り組んでいる」との回答は30~39歳が14.3%と最も多い。 「これから取り組む予定」は20~29歳が24.0%で最多だった。
全体的に若い世代の方がリスキリングに取り組む傾向にあると、同社は分析する。
個人でリスキリングにすでに取り組んでいるまたはこれから取り組む予定という回答者に理由を尋ねたところ、「新しい技術を習得したい」が64.8%で最も多い。 以下、「自分の市場価値を高めたい」(40.9%)、「収入を増やしたい」(36.5%)が続き、収入よりも技術習得やエンジニアとしての市場価値に重きを置いていると同社は見ている。
一方、「出世・昇格したい」(23.9%)や「転職したい」(19.5%)は下位だった。