Rubyコミュニティーは現地時間2022年12月25日、Ruby バージョン3.2.0を公開した旨を公式ブログで報告した。リンク先からソースコードをダウンロードできる。Ruby バージョン3.2.0はWASI(The WebAssembly System Interface)ベースのWebAssemblyビルド機能をサポートし、Webブラウザーに限らずサーバーレスやエッジ、他のWebAssembly/WASI環境でもRubyのソフトウェアであるCRubyを使用できる。WASI/WebAssembly両者の溝を埋めるため、CRubyには一般ユーザーの権限で制御できるバイナリー変換技術Asyncifyを採用。さらにWASI上に仮想ファイルシステムを実装し、Rubyのアプリケーションを単一の.wasmファイルとしてパッケージする機能も備えた。

  • Ruby バージョン3.2.0(公式ブログより)

    Ruby バージョン3.2.0(公式ブログより)

JITコンパイラーのYJITはRuby バージョン3.1.0から使用できたものの、Rubyコミュニティーは「1年以上にわたって本番環境でテストされ、安定して稼働する実績がある」と述べながら、バージョン3.1.0よりも高速に動作し、メモリーのオーバーヘッドも三分の一に軽減したと説明している。他にも正規表現処理の高速化や、MJITコンパイラーの再実装などRuby バージョン3.2.0の変更点は多い。Rubyユーザーは前述の公式ブログや、GitHubのNEWSファイルで詳細を確認することをお薦めしたい。Ruby バージョン3.2.0はバージョン3.1.0から、21万8253行の追加と13万1067行を削除し、3048ファイルに変更を加えた。