富士通は12月23日、コンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(以下、CaaS)」上で、産業技術総合研究所(以下、産総研)が構築し運用するAI(Artificial Intelligence:人工知能)処理向け計算インフラストラクチャ「AI橋渡しクラウド」である「AI Bridging Cloud Infrastructure」(以下、ABCI)のGPU(Graphics Processing Unit)計算リソースを2023年4月から提供開始するための協議を進めていることを明らかにした。

産総研が2018年に運用を開始した計算インフラストラクチャであるABCIのGPU計算リソースをCaaS上で提供することで、専門技術者を有していない企業も含む、より多くの企業が大規模なコンピューティング技術を利用できるようになるという。従来のオンプレミス計算環境では実現し得なかった大規模なシミュレーションを短時間で処理できるようになるとしており、富士通はこれにより、最先端技術の社会実装加速と産業競争力強化を狙う。

富士通が提供するCaaSは、ハイパフォーマンスコンピューティングやAI技術、量子インスパイアード技術である「Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer」を融合したクラウドサービス群だ。創薬や材料解析、物流、自然災害シミュレーションなど、幅広い分野の社会課題の解決を支援する目的で提供している。

  • CaaSの全体概要図

    CaaSの全体概要図