NTTビジネスソリューションズ、サムスン電子、西日本電信電話(以下、NTT西日本)は12月21日、NTT西日本のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」に構築したローカル5G(第5世代移動通信システム)のオープン実証環境を活用して、ローカル5Gの特長を生かしたプライベートネットワーク内マルチメディア無線通信の共同実証を開始することを発表した。

NTTビジネスソリューションズは2022年6月に、サブスクリプション型のローカル5Gサービスの提供を開始した。今回はこれに加えて、ローカル5Gの導入を検討中の企業やシステム・アプリケーション開発ベンダーに対し、ローカル5Gシステム導入の運用実証や各種アプリケーションの動作検証を実施できるオープン実証環境を提供する。

実証環境の活用における最初の事例として、サムスン電子が開発したマルチメディア無線通信システムについて、ローカル5Gプライベートネットワーク環境での動作検証を目的とした共同実証を開始するという。

具体的には、QUINTBRIDGEにNTTビジネスソリューションズが構築したローカル5Gのオープン実証環境に、サムスン電子のマルチメディア通信システム「Mission Critical Push-to-X」(以下、MCPTX)を接続して、ローカル5Gプライベートネットワーク環境で端末間メディア通信機能の動作や性能検証を実施する。

MCPTXは1対1、もしくは1対多数のコールで、音声、ビデオ、画像データなどの通信を行うマルチメディア無線通信システム。MCPTXでは各コールに優先順位や品質を柔軟に設定でき、緊急性の高い通信情報を迅速に通信先へ届けられるとのことだ。

MCPTXはモバイルキャリアネットワークをベースとして、警察、消防、救急医療などに従事する現場スタッフとコールセンタを結ぶ通信システムとして、緊急情報の一斉通知や、音声とビデオによる緊急連絡などに用いられている。

ローカル5Gオープン実証環境においては、港湾、空港、大規模工場・プラントなどで業務に従事するスタッフ間の連携を想定し、MCPTXの動作検証を実施する。ローカル5Gプライベートネットワークを活用して、広域エリアでの高度な通信を支援するソリューションの具現化を目指すようだ。

  • 港湾エリアで想定される導入効果

    港湾エリアで想定される導入効果