三井住友建設と日立ソリューションズは12月21日、デプスカメラを活用したロックボルトの配置間隔を計測するプロトタイプシステムを共同開発し、実現場において試行導入して性能確認を行ったことを発表した。
デプスカメラとは、対象物までの距離情報の取得が可能な距離画像用カメラを指し、ロックボルトとはトンネルや切土補強土等の工事における支保材の一種。ゆるみや脱落が予想される地山や岩塊を押さえつけるため、プレートを締め付けるためのボルトのことを指す。
同システムは、対象物までの奥行き方向の距離を直接計測できるデプスカメラを活用し、国土交通省や各地方自治体等の規格に合っているか定期的な計測や管理が必要なロックボルトの配置間隔を計測するもの。同システムでロックボルトが埋め込まれた壁面を撮影するだけで、ロックボルトの配置間隔を計測することが可能であり、計測した値は CSV としてパソコンに取り込めば、帳票を自動出力できるという。
高度な技術を要さないため、誰でも容易に検測できるようになり、人材不足解消に貢献するほか、従来の検測方法に対して施工管理者が拘束される時間を2分の1に縮小できるようになる。さらに、計測時に高所作業車や足場などを必要としないため、安全性が大幅に向上するという。