さくらインターネット、高知工科大学、シティネット、近畿大学の4者は12月19日、東京大学、および大阪大学 サイバーメディアセンターと共同で、Beyond 5Gに関する研究を開始すると発表した。
高知工科大学内に設置したローカル5Gの設備とさくらインターネットのクラウドを利用して、広域分散コンピューティングの実証実験を行うとのことだ。
Beyond 5Gとは、5G(第5世代移動通信システム)が持つ高速大容量かつ低遅延、多数同時接続といった機能の高度化に加えて、「超低消費電力」「超安全・信頼性」「自律性」「拡張性」のような新たな価値の創造に資する機能を持つ、次世代の移動通信システムを指す。
実証では、高知工科大学内に独立したローカル5G環境とMEC(Multi-access Edge Computing)サーバを構築し、さくらインターネットのクラウドに構築した環境に閉域網を利用して接続する。これにより、ローカル5G環境下にあるコンピュータが低遅延かつ安全にさくらインターネットのデータセンター内のコンピューティングリソースを利用できるようになるという。
今後はこの環境を利用して、屋外や工場やオフィスなどに設置したIoT(Internet of Things:モノのインターネット)機器と、環境内に遍在するエッジデバイスなどのコンピュータ、および外部のクラウド環境を適切に組み合わせて、Beyond 5Gを実現するための研究開発と実証実験を進める。
今回の研究で構築した実証実験環境については、日本各地の大学や企業などで整備中のローカル5G環境とも接続し、広域分散コンピューティングの試験用環境として利用可能にすることで、広域分散アプリケーションの可能性検証を実施していくことも視野に入れているようだ。
将来的には、複数のローカル5G環境やMECサーバ、クラウドを閉域網環境下でシームレスに接続することで、5G環境下にあるコンピュータが要件に合わせて任意のMECサーバやクラウドのコンピューティングリソースを利用することや、逆にクラウドから広域に遍在する多数の5G環境下にあるコンピュータへのアクセスも可能になるとしている。