AppleのブラウザSafariに採用されているレンダリングエンジンWebKitの開発チーム、Google ChromeおよびFirefoxの開発チームが、Webブラウザー向けベンチマークSpeedometerの次期版「Speedometer 3」を共同で開発する。

Speedometerは、Webアプリの操作をシミュレーションしてブラウザーのWebアプリケーションの応答性を評価するベンチマークツールだ。WebKitチームが開発し、2014年にSpeedometer 1.0がリリースされ、2018年にSpeedometer 2.0にアップデートされた。現在の安定版はSpeedometer 2.1。

特定の機能のループではなく、ブラウザーユーザーのタスクに必要な様々なワークロードをシミュレートしてテストするなど、実際のWebを反映するように設計されているのが特徴。ブラウザーエンジニアや開発者にとって有用なテストツールであり、Webのテストページにアクセスして簡単に実行できるので一般ユーザーにも活用されている。

Speedometer 3は業界をまたがるコラボレーションで最初から開発される初のベンチーマークツールになる。ユーザーがWebを利用している環境は様々だ。全てのユーザーにスムースなWeb体験を提供するには、Webサイトの作成者、フレームワークビルダー、ブラウザベンダー、標準化団体にまたがるコラボレーションが必要であり、同じ改善目標の共有が求められる。だが、「歴史的に(ブラウザ)ベンチマークはその点で良い仕事をせず、実際のサイトの必要性において注目を集めることを積極的に競っていました」とMozillaの開発チームはTwitterで指摘している。Speedmeter 3の構築は困難なものになると予想する一方で、「共に作業することで、今後何年にもわたってWebを高速化するのに役立つ最善のバージョンを構築するチャンスが得られます」と期待している。

Chrome開発チームによると、Speedmeter 3の開発作業は共同のガバナンスモデルに基づいて作業を共有し、ユーザーに役立つ方法でブラウザのパフォーマンスを促進することを目的に、開発チームがWeb上のパフォーマンスに関して見解を一致させる。

Speedmeter 3の詳細は数カ月中に公開する予定で、それまではGitHubが進捗を確認できる場になる。