清水建設は12月16日、バーチャル空間にデジタルツインでの活用を前提としたプラントモデルを構築し稼働シミュレーションを行い最適化された工場施設の建設と運営を支援するサービス「Growing Factory(グローイングファクトリー)」を発表した。同社が独自開発した生産シミュレーターと3Dプラントモデルを活用し、設計段階からバーチャル空間にプラントモデルのデジタルツインを構築。稼働シミュレーションを繰り返し、短時間で最適な施設計画モデルを抽出することで理想のプラン提案を行うものだ。

  • 「Growing Factory」のバーチャル空間、食品工場で適用したイメージ(同社資料より)

    「Growing Factory」のバーチャル空間、食品工場で適用したイメージ(同社資料より)

設計段階において、バーチャル空間に複数の工場プランを構築し稼働シミュレーションを実行、イニシャルコストやランニングコスト、品目別生産能力等の検証を行いながら事業予算を勘案した最適な工場プランを提案する。

次にデータをもとに工場の全体構想をフィックスさせ、生産・物流ラインの自動化・省人化などのオプション機能の提案を行いつつシミュレーションを実行、製造設備や搬送機器の最適な組み合わせなども抽出できるため、これらのデータをもとに工場の建設を行う。

建設後もデジタルツインを継続的に活用することで、更なる稼働率向上や自動化・省人化、使用電力の削減などの検証用データ基盤として運用できるようになる。同社は「Growing Factory」を"時代の変化に適応し、10年後も成長し続ける工場"を具現化するサービスと位置付ける。必要となる膨大な検証作業を軽減し、省エネルギー化やカーボンニュートラル対応の環境に配慮した工場の設計・建設、デジタルツインを活用した無駄のないデータドリブンな施設運用が可能になるとアピールしている。