クリスマス、忘年会、お正月とイベントが多い年末年始。浮足だった季節ではあるが、だからこそメンタルがちょっとつらくなるという人も。ひょっとすると、ソーシャルメディアを見るのをやめるだけで気持ちが軽くなるかもしれない。

英国のメンタルヘルス情報誌Psychology Todayが「Don’t Let Social Media Give You the Year-End Blues」として、米国在住の心理学者Bonnie Zucker博士のアドバイスを紹介している。

11月に発表された調査によると、不安の症状がある人はソーシャルメディアの使用頻度が高い傾向があり、使用すればするほど症状が悪化することがわかったという。

実際、ソーシャルネットワークを開くと、楽しそうな写真がカラフルに並んでいる。一方で、楽しそうという気持ちは嫉妬にもつながる。自分はそんな場所に呼ばれていない、そんなところに行く相手がいないーー当たり前だが、全員が同じような家族、友人、恋愛関係ではない。懐具合も違うし、住んでいる場所も、健康状態も異なる。実際、アメリカ精神医学会の調べに対し、約3分の1が前の年より今年の方がストレスを感じると回答しているという。ストレスの多くは、経済的なものだとのこと。

このような解説をしながら、Zucker博士は年末年始のソーシャルメディアの問題として、以下を挙げている。

1.ソーシャルの比較
人がソーシャルに投稿する内容は大体においていいことだ。観光スポットに行った、友達や家族と楽しい時間を過ごしている、いいレストランで美味しいものを食べたなど。

もし、これらの写真と比べて自分の現在が見劣りすると感じた場合、ネガティブな気持ちが起こっても無理はない。投稿した写真はその人の人生のほんの一瞬で、誰にだって悩みはあるし、うまくいかない時があるだろう。そのように冷静に見ることが難しいのなら距離をおいた方がいいだろう、とZucker博士。

2.FOMO(Fear of Missing Out)
FOMOとは取り残されることへの不安。滅多に会わない友達や家族の写真や動画を見ると、孤独や孤立感を感じやすくなり、FOMAに陥りやすいという。

3.不必要な怒り
ソーシャルメディア、自分とは意見が異なる人に対する怒りを感じやすい場所でもある。ソーシャル上で自分の信念や考えと反する人の意見や様子を見ると、ネガティブな感情が大きくなりやすい。それは不必要な怒りだ。

4.安心を求めるが、逆効果も
ソーシャルメディアの目的の1つが承認要求。「いいね」ボタンは承認されたというバッチと言える。思ったように「いいね」が得られれば気分が上がるが、反応が得られないとさらに落ち込む。

では、ソーシャルメディアを使わない代わりに何ができるか?

Zucker博士は、1)ソーシャルメディア以外の方法で友達や家族と連絡をとる、2)運動など体を動かす、3)他の人を助ける、4)感謝リストを作る、5)映画、本など気分を上げてくれるようなメディアに接触する、6)芸術的な活動をする、7)掃除する、などの活動を推奨している。

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