東日本電信電話(以下、NTT東日本)、神奈川県横須賀市、九州大学、神奈川県立保健福祉大学は12月14日、横須賀市民のヘルスケアデータを連結、分析し、健康支援事業を推進する事業を推進すると発表した。
現在の横須賀市では、医療、介護、健診などの健康関連データがそれぞれの所管課で管理され、各システムごとに分かれて存在しているものもあるため、支援対象者の状況把握に時間がかかる課題があるという。また、データ分析のノウハウも十分ではないとのことだ。
今回の取り組みでは、NTT東日本の技術を用いて健康関連データを個人単位で連結し、九州大学と神奈川県立保健福祉大学のデータ分析技術を加え、より効率的かつ効果的な健康支援を進めるとしている。
この事業はステップAからステップDまでの4段階に分けて実施する。ステップAでは、横須賀市が扱う医療データや健診データを匿名化しつつ個人単位に連結し、健康関連情報を把握しやすくする。連結するデータは国保医療レセプトおよび介護レセプトなどの、市で扱う健康に関連する14のデータだ。社会保険(健康保険)加入者の医療データは対象としない。
ステップBでは、連結して匿名化したデータを九州大学と神奈川県立保健福祉大学が分析する。また、ステップCでは各大学の分析結果をレポートとしてフィードバックし、これに基づいてデータ分析を支えるダッシュボードなどを開発する。NTT東日本らはデータ分析に不慣れな職員でも手軽に使えるダッシュボードの開発を目指すとしている。
ステップDとして、ステップAからステップCまでに構築したシステムを活用して、令和5年度以降の健康支援活動に取り組む。個人単位でデータを連結することで現在から過去まで継続したデータ分析が行えるようになり、生活習慣病の発症リスクや要介護リスクなどの予測に基づいた重症化予防施策の検討が可能となる。さらに、長期的には介護予防事業の参加者と不参加者の比較など健康支援施策の効果検証も可能となり、根拠に基づいた施策検討に取り組める。