ispaceは12月14日、12月11日に打ち上げた月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1のランダー(月着陸船)に搭載したカメラによる撮影、画像の取得に成功したことを発表した。
ランダーのカメラは天面に設置されており、今回撮影された画像はランダーがロケットから分離した後約19時間後、遠ざかる地球を捉えたもので、三日月のように見えている。
同社では、技術的観点からも大きなマイルストーンとしており、この画像データの撮影に当たっては、宇宙環境に耐える光学カメラの自社開発に加え、カメラを目標物に向ける姿勢制御や画像データを地球に送信する通信など、多くのランダー自身の技術要素が関わっているとしているほか、カメラなどによって得られるさまざまな月のデータ(画像データ、環境データ、テレメトリ、資源情報など)は、今後の月面開発を目指す企業などが有効活用できる可能性があるとしており、今回のデータ取得はそうした将来の月面データサービス確立に向けた第一歩といえると説明している。
また、ペイロードの1つである、カナダ宇宙庁によるLEAPの1つに採択されたCanadensys社のカメラが撮影した画像の取得にも成功したともしている。このカメラはランダーの外部側面に搭載されて、今回取得できたのは、ランダーがロケットから分離した後約2分後に撮影されたデータで、地球と分離されたロケットが写っている。
なお、ランダーは2022年12月14日16時時点(日本時間)において、地球から約44万kmの地点を航行しており、すでに月軌道を一度通り過ぎたという。現在、ミッション1で輸送するペイロードについては1つずつ確認作業が進められており、一部については確認作業を完了。同社ではすべての確認が完了次第、サクセス3の完了とする予定としているほか、この後実施予定のサクセス4にあたる初回軌道制御マヌーバについては、現在運用を進める中で最適なタイミングを最終調整している段階としている。