経済産業省特許庁は12月14日、2023年1月以降の予納の入金手段についての発表を行った。
特許庁では、特許料や手数料等の納付方法の一つである「予納」の入金手段を拡充し、2023年1月からインターネット出願ソフトを利用した予納(電子現金による予納)を開始する予定としている。これにより、従来は特許印紙と銀行振込に限られていた予納の入金手段について、今後は入金から予納書提出までオンライン上で手続が完結できるようになる。
「予納」とは、特許庁に対する各種料金(特許料や出願手数料など)の納付方法の一つとして、出願人(利用者)が、特許庁に対してあらかじめ必要な金額を納めておく制度。利用者が特許庁に開設した予納台帳(予納の入出金を行うための口座のようなもの)から、手続の都度、必要額を引き落として料金納付に充てることを可能にする。
この予納制度は、特許庁に対する料金納付手段として最も広く利用されているものの、これまで、予納台帳への入金は「特許印紙」と「銀行振込(現金納付書)」に限られていたという。昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大、それに起因するテレワークの推進といった働き方の多様化に加え、特許関係手続のデジタル化を進める動きを背景として、2023年1月から決済手数料を不要とした「電子現金(ペイジー)による予納」を開始することが決定したという。
利用者が特許などの申請の際に利用する「インターネット出願ソフト」上に新機能が加わり、納付番号の取得からインターネットバンキングでの振込、予納入金に必要な書類(予納書)の提出が可能になる。これにより、一連の予納手続をオンライン上で簡易に行うことができるため、特許印紙の購入や振込など、郵便局・金融機関の窓口に赴く必要がなくなり、また特許印紙や金融機関での領収書を添付した予納書を郵送する、といった事務コストの削減も期待されるという。
また、企業においては、経理部署と手続部署で業務や権限が分かれている場合には、入金手続(経理部署)と予納書提出手続(手続部署)を分けて個別に処理することも可能になる。