2022年12月10日に行われた変更「remove JPEG XL support (I20178fec) · Gerrit Code Review」で、Chromium M110におけるJPEG XL関連のソースコードが削除された。これでGoogle Chromeが近い将来「JPEG XL」を正式対応する可能性は低くなった。
画像フォーマットであるJPEGを置き換える目的で開発されている画像フォーマットはいくつか存在しており、その一つに「JPEG XL」がある。GoogleはChromiumにおいて実験的にこのフォーマットをサポートする取り組みを続けてきたが、2022年10月31日(協定世界時)、「1178058 - JPEG XL decoding support (image/jxl) in blink (tracking bug) - chromium」において、ChromiumからJPEG XMLのコードとフラグを削除することに至った理由を投函し、実質的にデフォルト採用を見送ったことを伝えた(参考「Google Chrome、JPEG XL対応は先送り | TECH+(テックプラス)」)。
Googleの開発者はその理由として、JPEG XLの実験を継続するための十分な関心が得られていないこと、JPEG XLをデフォルトで有効にすることに対して十分なメリットが得られないこと、コードを削除して既存のフォーマットの改善に取り組んだほうが効果的であることなどを挙げていた。
そして先日、当初の予定どおりに関連するソースコードの削除が実施された。Google Chromeは世界で最も広く使われているWebブラウザであり、ChromeがJPEG XLのサポートを先送りしたことで、WebにおけるJPEG XLの普及に時間がかかる可能性が出てきた。