日英伊3カ国の首脳が12月9日、次期戦闘機共同開発協力に関し、「グローバル戦闘航空プログラムに関する共同首脳声明」を発出した。
グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)は2035年までに次世代戦闘機を3か国で共同開発するというもの。共同首脳声明では、「GCAPは我々の高度な防衛力および技術的優位を加速させるとともに、我々の防衛協力、科学技術協力、統合されたサプライチェーンを深化させ、また、我々の防衛産業基盤を一層強化する」と説明しているほか、同プログラムが、より広範な経済的、産業的利益をもたらし、日本、イタリアおよび英国の雇用や暮らしを支えるものであるとも説明していることに加え、デジタル設計や先進的な製造プロセスに関する研究開発への投資を引き付け、高度な技能を持つ次世代の技術者や専門家に対して機会を提供するとも説明している。
また、今回の3カ国首脳の共同声明に併せて、防衛省および米国防省が「次期戦闘機に係る協力に関する防衛省と米国防省による共同発表」を発出。米国防省は「米国は、日米両国にとって緊密なパートナー国である英国およびイタリアと日本の次期戦闘機の開発に関する協力を含め、日本が行う、志を同じくする同盟国やパートナー国との間の安全保障・防衛協力を支持する」とコメントしている。
このほか、これらの発表を受けて先進技術実証機(X-2)をはじめとする各種関連研究を通じて戦闘機の最先端技術開発を進めてきた三菱重工業(MHI)は、「2020(令和2))年10月末には防衛省と次期戦闘機開発に係る契約を締結し、構想設計等開発作業を推進してきました。また、この中で防衛省とともに英伊両国との協力の可能性についても検討を行ってきたところです」と説明しており、今回の発表を踏まえ、日英伊3カ国が保有する最先端技術および知見を結集できるよう、各国政府および企業と緊密に連携しながら、次期戦闘機の開発に鋭意取り組んでいくとしており、併せて科学技術分野での人材育成や、デジタル・トランスフォーメーションの推進など、産業界の革新を促すことも期待するとしている。