日本電信電話(以下、NTT)とIMAGICA GROUPは12月8日、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の実現に向けて、リアルとサイバーが融合する空間の表現や演出技法に関する総合的な共同検討に着手すると発表した。

両社は今回の共同検討を通じて、NTTが持つ映像音声、3次元空間情報、感性情報などの処理に関する先進技術と、IMAGICA GROUPが持つクリエイティブとテクノロジーを掛け合わせ、IOWNのデジタルツインコンピューティングによる新たなメディア体験やコミュニケーションUI(User Interface) / UX(User Experience)の具体化に取り組む。

具体的には、地域社会の「関係人口」拡大に向けて、空間と人のデジタルツインコンピューティングによって、自宅に居ながら観光地などに没入できるフォトリアルなサイバー空間を構築し、リアルとサイバーが融合した新しいコミュニケーションの創造を進める。NTTで研究開発中の3D空間メディア処理技術やAnother Me関連技術などと、IMAGICA GROUPが保有する映像コンテンツ制作ノウハウを組み合わせるのだという。

さらに、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)によるエンタメコンテンツの高付加価値化を目指して、仮想ライブ空間でのメディア体験の創出も進める。より魅力的なライブエンタメコンテンツを提供する技法として、立体空間表現を用いた演出や、伝統技能・芸能における技の継承、およびそれを活用したライブエンタメ内での表現や演出についても検討するとのことだ。

また、NTTが研究開発を進めている「周囲の音情報を正確に集音し、周囲の状況を理解して適切に音を制御するパーソナライズドサウンドゾーン技術」「人間の目で把握困難な被写体の性質を見分けられるハイパースペクトル画像を、通常サイズのデジタルカメラで撮影可能とするハイパースペクトル圧縮撮像技術」「映像や音に加えて、振動による触覚を提示することで、より臨場感のある体験を実現する高臨場感提示技術」などをコンテンツやメディア体験に適用して、従来の映像音声の提供にとどまらない新たな演出技法についても検討するとしている。