ワークスアプリケーションズは12月7日、全国の顧客リストを主体とした企業を対象に実施した2023年10月から始まる消費税の「インボイス制度に向けた企業の対応やその進捗状況についてアンケート」の結果を発表した。
今回の調査で、インボイス制度について詳細を把握し、すでに何らかの対応をしている企業は全体の半数以上を占めていることが判明したという。多くの企業がインボイス制度について情報収集を終え、具体的な取り組みを進めている段階にあり、適格請求書発行事業者の登録申請手続きが完了したと回答した企業は88.6%に上っている。
一方、取引先の登録番号の収集が完了したと回答した企業は1.4%と著しく低く、72.9%が取引先情報の収集方法を検討中で、手つかずであることが判明している。規模別でみると、売上高10億円未満の企業は5社すべてが「検討中」「わからない」と回答しており、10億円以上の規模でも75〜80%がまだ収集を始めていないと回答している。中小だけでなく、多くの従業員を抱える大手も取引先の情報収集があまり進んでいない状況が明確になる結果になったという。
登録しない取引先への対応を尋ねたところ、「個別に検討する」と回答した企業が52.9%となった一方で、ルールを設ける、もしくは一律での対応を行う企業も30%以上という結果に。対応の方針を決める際の判断材料としては、「現状の取引金額や規模」「信用調査の信用度や代替取引先の有無」「値下げ状況」などが挙がっている。この結果について、同社は、制度の導入が取引先の見直しにつながる可能性もあり、企業活動にも影響が出そうだとの見方を示している。
制度適用前の準備段階で「大変だと感じていること」には、「適格請求書に合わせたフォーマットの作成・変更、マニュアルづくり」、「取引関係の見直しなど」が上位を占めた。制度開始後も、受け取った領収書や請求書などの証憑を確認する手間や、仕訳の振替、申告作業などを担当する経理/財務部門への負荷を懸念する声や、受領証憑を入力する現場の負担を心配する声が寄せられているという。