NTT東日本とNTT西日本は12月8日、固定電話(PSTN)のIP網への移行に関する最新情報を公表した。両社は2017年に固定電話のIP網への移行を発表、2024年1月に順次IP網へ移行する予定としている。
両社は2017年から段階的に情報の公開を行っており、IP網移行後の料金やIP網移行に伴って提供を終了するサービスについては既に明らかにされている。
NTT東日本 経営企画部 営業企画部門 部門長 井上暁彦氏は、「固定電話がIP網に移行することで、お客さまが手続きをすること、お客様宅で工事をすること、電話機などの交換は一切不要となっている。固定電話から引いているメタル回線も引き続き利用する。IP網移行に便乗した悪徳商法が生まれる可能性があるので、注意いただきたい」と述べた。
以下、今回新たに発表された内容を紹介していく。これまでに、INSネット(デジタル通信モード)、短縮ダイヤルなどのサービスの提供終了が発表されていたが、2024年1月1日から、対象サービスの提供が終了することが発表された。
また、IP網移行後はシンプルでフラットな料金体系に変更することに伴い、提供中の通話料割引サービスはすべて提供が終了される。今回、2023年9月30日にサービスの新規受付を停止し、2024年1月1日から割引を適用しないことが発表された。
加えて、マイラインとマイラインプラスも終了するが、2023年11月30日に新規受付を停止、2024年1月以降にIP網への切り替えに合わせて地域ごとに段階的に終了することが発表された。
INSネット(デジタル通信モード)は、IP網への移行に合わせ、地域ごとに段階的に終了した後、「切替後のINSネット上のデータ通信サービス(補完策)」に移行する。
井上氏はINSネットについて、「企業ではさまざまな場所でINSネット(デジタル通信モード)が使われている。提供終了前に、自社でINSネット(デジタル通信モード)を使っていないかどうか確認していただきたい」と、企業ユーザーに向けて注意を促した。企業において、特に多いINSネット(デジタル通信モード)の利用例としては、警備、EDI、ビル管理があるという。