東急電鉄は12月8日、2023年夏より東急線でVisaをはじめとする「クレジットカードのタッチ決済」および「QRコード」を活用した企画乗車券の発売や改札機の入出場に関する実証実験を開始すると発表した。「クレジットカードのタッチ決済」を活用した乗車券サービスに関する実証実験は首都圏の鉄道事業者で初の取り組みといい、まずは一部先行駅(田園都市線を中心とした各駅)で行い、2024年春に東急線全駅を対象に実施する予定だ。
この取り組みにより、沿線の住民だけでなく、今後インバウンドの回復が見込まれる訪日外国人を含む東急線沿線の来街者も、クレジットカードやスマートフォン1つで場所を選ばずさまざまな企画乗車券を購入できるようにする。
同実証実験には、東急電鉄と三井住友カード、日本信号、QUADRACも参画し、「人」「まち」「交通」をデジタルでつなぐ「デジタル乗車券プラットフォーム」の構築を目指す。
乗車券販売サイトは、東急のDX特別組織「Urban Hacks」が構築する予定で、サイト上で企画乗車券を事前に購入することで、タッチ決済に対応したクレジットカードもしくはスマートフォンに表示されたQRコードを、入出場時に対象となる改札機の読取部へかざすことで改札を通過することができる。
タッチ決済に対応したクレジットカードを使用した改札機の通過などのサービス構築には、三井住友カードの提供する公共交通向けソリューション「stera transit(ステラ トランジット)」を活用する。日本信号はデジタル乗車券システムの開発を行い、QUADRACは交通事業者向けタッチ決済および認証に関するプラットフォームの提供を行う。
また、同実証実験ではタッチ決済に対応したクレジットカードを使用した後払いも可能となるほか、今後、地域やグループの商業施設などと連携も進めていく考えだ。