日立製作所は12月7日、製造業向けに設計から製造までの情報を統合管理できるというERPである「SAP S/4HANA Manufacturing for production engineering and operations (PEO)」の導入を容易にするという「日立 設計・製造テンプレート」を開発し、これを用いたコンサルティングを提供開始した。
新テンプレートは、同社のグループ会社向けにSAPのPEOソリューションを導入したノウハウと、SAPソリューションの導入実績を組み合わせ、業務フローや業務プロセスを整理して汎用化・システム化したもの。
これにより、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や、「SAP S/4HANA」への移行・応用を検討する製造業のユーザー企業に対し、ECM(Engineering Chain Management)とSCM(Supply Chain Management)の連携を実現するための、SAPのPEOソリューションを使用したシステム検討や要件定義などのコンサルティングを、安定した品質で、スピーディーに行えるようになるとしている。
同テンプレートの適用により、設計から製造までの各部門を横断した一連の業務フローに沿ったSAPのPEOソリューションの導入プロセスや要件を確認・検討できるため、利用イメージがつかみやすく、実業務に導入した際の具体的な課題把握が可能になるという。
また一連の業務において、例えば設計変更が発生した場合に必要となる業務の検証について、実際のS/4HANAの画面や操作手順なども整備している。
同コンサルティングではシステムの導入時に追加開発を行わず、業務内容を標準機能に合わせる「Fit to Standardアプローチ」をベースとしており、また、同テンプレートにベースとなる業務フローを整理しているため、理想の業務フローを短期間で検討できるとしている。
主に準量産品を扱うユーザー企業を対象とするが、今後、量産品や受注生産品への対応や、適用業務範囲の拡大を図るという。