Rubyコミュニティーは現地時間2022年12月6日、Ruby バージョン3.2.0に至るRuby バージョン3.2.0 RC(Release Candidate: リリース候補)1を公開した旨を公式ブログで報告した。バージョン3.2.0 RC1はWASI(The WebAssembly System Interface)ベースのWebAssemblyビルド機能をサポートし、Webブラウザーに限らずサーバーレスやエッジ、他のWebAssembly/WASI環境でもRubyのソフトウェアであるCRubyを使用できる。CRubyはWASI/WebAssembly両者の溝を埋めるため、一般ユーザーの権限で制御できるバイナリー変換技術Asyncifyを採用。さらにWASI上に仮想ファイルシステムを実装し、Rubyのアプリケーションを単一の.wasmファイルとしてパッケージする機能も備える。
バージョン3.2.0 RC1は正規表現で用いるRegexpのマッチングアルゴリズムを最適化し、Ruby 3.1.0で10秒を要したマッチング処理を0.003秒に短縮させた。ただし、現時点では正規表現の内容に応じたメモリー消費が発生する可能性があるため、何らかのトラブルが発生した際はRubyコミュニティーへの報告を求めている。また、適用範囲を拡大するためにタイムアウト機能も導入した。他に複数の機能実装やJITコンパイラーであるYJITの性能向上も加わっている。