富士通Japanは12月7日、手術室の稼働率向上を支援する新ソリューション「Fujitsu リソース最適化エンジン Assignment Master」(以下、Assignment Master)を開発し、300床以上の大中規模病院向けに提供を開始することを発表した。

現在は多くの場合、手術室のスケジュールは予定される手術日程と手術室や手術機器、医師や看護師の勤務予定などに基づいて、最も効率の良い運用となるよう手術部のスタッフが作成している。今回富士通Japanが開発したソリューションは、この作業の効率化を支援するという。

Assignment Masterは、曜日ごとに手術室の使用が優先される診療科や、使用する手術機器の個数、手術室に固定されている特定の機器の設置有無などの制約条件を設定することで、より優先度が高い制約条件を満たすよう調整を行いながら手術スケジュールを作成する。スケジュール作成は数十秒で完成するという。

手術部で調整作業を行うスタッフは、医師が電子カルテシステムに入力した手術日や手術室への入室時間、所要時間の情報と、使用する機器の空き状況や看護師の勤務状況などの条件を照らし合わせずとも、スケジュールを作成できるようになる。

手動で行っていた従来の調整作業時間を約95%削減できると見込んでおり、スタッフの作業負担を軽減し、医師や看護師の割り当て重複の未然防止にも寄与するとのことだ。

  • 手術スケジュール自動作成の例

    手術スケジュール自動作成の例

また、同ソリューションの活用によって手術室の無駄な空きを防ぎ、効率的に手術室を稼働させられるようになることから、手術実施件数の増加も狙え、経営改善を支援しながら、良質な医療サービスの提供もサポートするとしている。