キヤノンは12月6日、3D IC(3次元集積化技術)をはじめとする次世代後工程向けi線露光装置(ステッパー)「FPA-5520iV LF2オプション」を開発、1月上旬より受注を開始する予定であることを発表した。

  • 「FPA-5520iV LF2オプション」

    次世代後工程向けi線露光装置「FPA-5520iV LF2オプション」 (画像提供:キヤノン)

同製品は、2021年に発売された後工程向けi線ステッパー「FPA-5520iV LFオプション」の性能を向上させたもの。最大の特徴は、投影光学系に前工程の露光装置で活用されている非球面レンズを適用することで歪曲収差を前世代比1/4以下に低減。これにより、より滑らかなショットのつなぎ合わせを可能としたとする。

  • 歪曲収差の改善イメージ

    歪曲収差の改善イメージ。左が従来機「FPA-5520iV LFオプション」、右が新製品「FPA-5520iV LF2オプション」 (画像提供:キヤノン)

また、照明光を均一化するホモジナイザーの改良による照明光学系の照度均一性を向上させたことで、52mm×68mmで0.8μmを実現したとするほか、ショットを2×2でつなぎ合わせた100mm×100mmを超す露光でも0.8μmの解像力を提供できるとしている(レンズの有効径に入る範囲であれば対応可能なため、110mm×110mmなどさまざまなダイサイズに対応可能)。

  • 露光画角の例

    露光画角の例。左が前工程の標準画角(26mm×33mm)、中央がFPA-5520iV LF2オプションによる52mm×68mmの露光(26mm×33mmを2行2列で配置できるサイズ)、右がFPA-5520iV LF2オプションによる50mm×50mmの4ショットつなぎ露光 (画像提供:キヤノン)

このほか、FPA-5520iV(2016年発売)より、FOWLPの量産課題である再構成基板の大きな反りに対応した基板搬送システムを搭載や、チップ配列のばらつきが大きい再構成基板でもアライメントマークを検出可能な広視野アライメントスコープ、チップごとに位置合わせを行い露光するダイバイダイアライメントなどを引き継いでいると同社では説明している。

なお、同製品を用いて露光を行ったサンプルウェハが、2022年12月14日~16日にかけて東京ビッグサイトにて開催される「SEMICON Japan 2022」の同時開催イベント「Advanced Packaging and Chiplet Summit(APCS)」の同社ブースにて展示される予定だという。同社のブースは、キヤノンアネルバ、キヤノンマシナリーとの共同出展となっており、FPA-5520iV LF2オプション以外にも前工程向け露光装置や、キヤノンアネルバのスパッタリング装置、原子拡散融合装置、キヤノンマシナリーの基板用コイニング装置、ワイヤボンディング外観検査装置、各種ダイボンダーなどが紹介される予定としている。