日立製作所は12月6日、SaaS型クラウドサービス「TWX-21」を組織横断のデータ活用を支援するサプライチェーンプラットフォームとして進化させると発表した。これにより、市場ニーズやビジネス環境の変化に素早く対応するダイナミックサプライチェーン(需要や供給への影響を捉えて変動するサプライチェーンのこと。人々の価値観、社会の変化や自然災害、パンデミックなど想定外のリスクに対応するために、顧客や市場起点で素早くサプライチェーン全体が協調・同期する仕組み)の実現を目指す。
第一弾として、サプライチェーン全体をデジタルツインでサイバー空間上に再現して市場の需要変動に合わせた生産や出荷などの計画立案を支援する「サプライチェーン最適化サービス」を強化し、「TWX-21」の新サービスとして、12月6日より提供開始する。
また、2023年3月をめどに「TWX-21」のサービス体系を刷新し、これまで提供してきた各種サービスを、顧客がより選択しやすい用途別に統合する予定だという。
サプライチェーンプラットフォームの実現に向けては、「サプライチェーン最適化サービスを強化し、サプライチェーン全体における過剰在庫や欠品を削減」「業務の効率化や高度なサプライチェーンデータ利活用に向け、サービス体系を刷新」という2点を中心に行っていく。
今後は、ESGを考慮したパートナー選定をデータに基づき支援する機能と、有事により供給網が寸断されたときの影響を最小限にとどめるレジリエンス強化を支援する機能を「ソーシングサービス」に順次追加していく予定。さらに、顧客の要件に応じて同社グループのサプライチェーン関連サービスと組み合わせて提供することで、コンサルティングサービスなどの上流からデータ基盤整備までワンストップでサプライチェーンの高度化を支援していく方針。