デロイト トーマツ ミック経済研究所が12月6日に発表した調査結果によると、2022年度の業務iPaaS売上高は、2021年度と比べて36.1%増の66億1000万円となる見込みだということが分かった。

同社は業務iPaaS(Integration Platform as a Service)を、エンドユーザー企業ITシステム内の複数ツール(アプリ、データベース、ファイル、ストリーミング・データなど)を1対n~n対nで連携して業務の効率化・自動化するためのITシステムのハブ機能となる、クラウド・サービスと定義する。

また業務iPaaS売上高は、初期導入費および利用期間のサブスクリプション・フィーとしている。

同社の調査結果によると、2021年度の業務iPaaS売上高は2020年度と比べて35.6%増の44億9000万円だった。2022年度は2021年度と比べて36.1%増の66億1000万円となる見込みだ。

  • 業務iPaaS市場の中期予測 ミック経済研究所

最近は、クラウド・ファーストから、企業・団体で導入するクラウドのアプリ数が多くなっているという。企業のITシステムは、オンプレミス/クラウドなど混在する状況となり、従来は1対1で対応できた連携も複雑化しているため、1対n~n対nでのデータ連携ニーズが求められるようになってきたとのこと。

エンドユーザー企業の主要なシステム更新のタイミングで、そのクラウド移行と併せて、システム間連携や全体の基盤統合に向けて、スモール・スタートであるiPaaS導入が検討され、導入実績が増えているという。

2027年度の業務iPaaS売上高は183億5000万円、2022年度から2027年度までの年平均成長率(CAGR)は26.4%増になると、同社は見ている。

iPaaSは、導入企業では最小単位でスモール・スタートにて開始した後にシステム基盤全体の統合に進めることで1案件ごとのフィーが上がること、また、導入の少なかった業界・業態でもITシステムのハブ機能となるiPaaSが認知・評価されることで新規案件も増えることなどにより、市場拡大が見込まれるという。

また、将来的には利用目的によっては、自社・他社システム間連携とし、受発注管理・在庫管理・メールなどを連携させることで、大企業と関係を持つ中小企業などの利用増も想定されるとしている。

業務iPaaS市場の導入・販売経路について、現状の導入経路は、パートナー企業経由の紹介やエンドユーザー企業からのインバウンドが主になっているという。

特に、アライアンスを組んだパートナー企業が提案するシステム構築にて、iPaaSが構成要素として組み込まれる事例が多いとのこと。

業務iPaaS売上高は、2021年度実績では45億円規模だったのに対して、iPaaS関連インテグレート費は100億円規模と同社は想定している。

  • 業務iPaaS市場の導入・販売経路 ミック経済研究所