信越半導体、SUMCOに次ぐシリコンウェハメーカーである台GlobalWafersは2022年12月1日、米国テキサス州シャーマンにて、最新の300mmシリコン結晶およびウェハ製造工場となるGlobalWafers Americaの起工式を開催したことを明らかにした。

式典には、200人を超える人々が出席したが、その中には、主要な顧客や重要なサプライヤーに加えて、連邦政府、および州や市の地方政府の高官が含まれていた。

GlobalWafersの発表によると、米国で20年以上ぶりにシリコンウェハ工場が建設されることになり、米国の半導体製造工場(ファブ)の急成長によって不足している米国内のシリコン供給に対処することが可能になるという。

また、この大規模な米国への投資は、2022年の「CHIPS法」による資金調達、州/地方政府のインセンティブ、および米国の地元の顧客からの強力なサポートの結果として実現されたという。最近のパンデミックと地政学的問題により、米国の半導体産業に向けた国内からのシリコンウェハの供給不足が懸念され、米国政府からの補助金支給による強い誘致に応える形でテキサス州に進出した。顧客とは、自動車、モバイル、PC、消費者および産業の主要なターゲット市場に対応する長期供給契約をむすんでおり、安定経営が望めるという。

ファブ建設、製造装置の設置、顧客へのサンプル出荷、および大量生産は2年以内に行われる予定である。工場は58ヘクタールの敷地に配置され、将来の多段階の拡張に十分なスペースを確保している。

米国の半導体メーカーは、同盟国の日本の信越半導体やSUMCOから300mmシリコンウェハは問題なく入手可能ではあるが、米国政府としては、国家および経済安全保安上、米国本土内だけで自給自足のサプライチェーン構築を目指しており、そのために商務省誘致で20数年ぶりに米国内でのシリコンウエハ製造工場建設が始まった模様である。

  • GlobalWafers Americaのシリコンウェハ製造工場の起工式

    GlobalWafers Americaのシリコンウェハ製造工場の起工式(米テキサス州シャーマン市、12月1日) (出所:GlobalWafers)