パナソニック ホールディングス(PHD)は11月30日、東京都千代田区の丸の内仲通りや行幸通りなどで、公道でのロボット単独による販売実証実験を実施すると発表した。

  • 搬送ロボット「ハコボ」の外観

同社はこれまで、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)における店舗から住宅への配送サービス実証、茨城県つくば市での楽天グループおよび西友との実店舗からの日用品の配送サービス実証など、ロボット配送の実証実験を実施しているという。

今回の実証実験では、自動走行する搬送ロボットである「ハコボ」が指定ルートを巡回しながら、特定地点において無人でのカプセルトイや飲料などを販売する。実証期間は、12月1日から2023年2月4日までの予定。

  • カプセルトイや飲料などを販売する様子

  • 走行エリア

ハコボは、機能安全に関する国際規格に適合した安全性を備えると共に、用途に応じて荷台を入替できることにより、安全性と柔軟性を両立するとしている。

同社は2022年4月にFujisawa SSTにおいて「日本初 完全遠隔監視・操作型 自動配送ロボットの道路使用許可を取得」するなど、小型低速ロボットの自動走行能力の向上および、AI(人工知能)技術を使用する遠隔監視・操作システムである「X-Area Remote」により、ロボットのそばの保安要員無しでの複数台同時運用に取り組んできたという。

その後、Fujisawa SSTでの240時間走行を完了し、「特定自動配送実証実験に係る道路使用許可基準」に基づき同地域での道路使用許可を取得し、公道審査を伴わない簡素な手続きで類似環境での他拠点展開が可能になったとしている。今回の実証実験は、同制度に則った他拠点展開の第1号事例になるという。

同社は、搬送を始め多様な用途にロボットや遠隔サービスを活用し、地域住民や企業など多様なコミュニティに寄り添い、エリアに合った最適なサービスを実現するというプラットフォームである「X-Area」の提供を目指しているとのこと。今後、地域、自治体、企業との共創により、配送に限らず多様なサービスを実現することで、新たな価値を創出していくとしている