半導体市場動向調査集団であるYole Groupは、東京で同社会員向けの半導体技術動向説明会「2022 Yole Group Market Monitor Tour in Japan」を開催。第3四半期にCMOSイメージセンサ(CIS)市場予測の下方修正を行ったことなどが報告された。
2022年第2四半期のCIS市場シェア、トップのソニーは約4割
毎年第1四半期は、季節的な閑散期でもあり、在庫も増えることとなる。そのため2022年第1四半期もCIS市場は前四半期比4.3%減となった。しかし、第2四半期もYole Groupの期待に反して売り上げは増加しなかったという。背景には、ロシアのウクライナ侵攻や上海のロックダウンなどがあり、マイナスに作用したものとしている。
その2022年第2四半期のシェアトップはソニーで約4割、2位はSamsung Electronicsで約2割、その後、Omnivision(中Will Semiconductorの子会社)が1割強、onsemi、STMicroelectronics、SK hynixと続いている。
また、アプリケーション別のシェアを見ると、かつてはスマートフォン(スマホ)を中心としたモバイル向けが7割を超えていたが、最近はほかのアプリケーションが伸びてきており、シェアを落としている。特に伸びているのが車載向けで10%強、コンピュータ向けも約10%となっている。
2022年第3四半期に将来予測を下方修正
2021年のCIS市場は213億ドルであり、2021年および2022年年初には将来的にも市場は成長を続けるとYoleでは予測していたが、第3四半期になって、2018/2019年時点での中期予測で示していたレベルへと下方修正を行ったという。世界的なインフレやウクライナ問題、パンデミックの影響で民生向け最終商品の需要が低下しているためで、Yoleでは、新たな2022年通年のCIS市場成長率見通しとは前年比2.4%増としている。
今回のカンファレンスでは、2021年のアプリケーションごとのサプライヤ別市場シェアも公開された。それによると、ソニーがモバイルではシェア63%、コンシューマ(デジカメなど)4%、コンピュータ10%でトップとなっているが、onsemiが車載8%と産業用3%で、Omnivisionがセキュリティ9%でそれぞれがトップとなっている。
Yoleによると、CISのサプライチェーンは、CISサプライヤのほか、設計ツールやIPサプライヤ、コンピューティングチップサプライヤ、ファウンドリ、パッケージング・テストサービス(OSAT)、そして最終システムサプライヤ、カメラモジュール製造受託企業などで構成されている。CISはカメラモジュールや最終応用商品まで含めれば多国籍ビジネスであり、そのサプライチェーンもグローバルな広がりを見せているといえる。