NTT西日本は11月29日、今年8月から開始している未来共創プログラム「Future-Build For Well-being society」に関して、101件に及ぶ応募の中から4領域6テーマの採択企業を決定し、11月から取り組み・検証フィールドなど具体化した3テーマの実証実験を先行開始すると発表した。
同プログラムはオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」において、スタートアップ、企業、研究機関などのパートナーとの共創によりWell-Beingな未来社会を実現するもの。
今回、ビーブリッジ、広島商船高等専門学校、NTTコムウェアそれぞれの実証実験の実施が決定した。
ビーブリッジは、ネットやSNSの動画投稿サービスのように、手軽に誰でも街中にてARアートを投稿でき、日常の街の景色が変わる仕組みづくりを目指す。AR技術を用いて街中でスマホをかざして見ることができるARアートを展示し、それを「AIを活用したまちづくり」の技術を用いて、ARアートで人流増加や経済効果があるかについて総合的に検証する。
広島商船高等専門学校は、製造業における機械/設備の老朽化や、インフラ設備の老朽化への対応という社会課題に対して、安価な設備の故障予知診断システムの実現を目指す。圧縮センシング技術(少数回の観測のみで高次元信号を復元可能とする信号処理の手法)を活用した安価な低周波計測でも高額な高周波計測と同等の故障予知診断が可能かを検証する。
NTTコムウェアは、農業未経験者に対して、誰もが有機栽培が行える技術や地域流通機能を提供し、生産者と消費者とを直接つなぐコミュニティを形成することで、地球環境に配慮した持続可能な農業の仕組みづくりを目指す。具体的には、BLOF理論(生態系調和型農業理論:「細胞を作るアミノ酸」「生命維持に不可欠なミネラル」「生育・施肥を支える土壌」の3つの分野に分けて考察し、科学的・論理的に営農していくジャパンバイオファーム独自の有機栽培技術)に基づいた栽培技術および営農支援クラウドサービスの検証、有機栽培作物の市場外流通での販売検証を実施する。
残り3テーマの実証実験内容は今年12月に発表予定であるほか、各プロジェクトについては今後、実証実験・検討を重ね、2023年3月に成果報告会を開催予定。