国際刑事警察機構(ICPO: International Criminal Police Organization)は11月25日(現地時間)、「Cyber-enabled financial crime: USD 130 million intercepted in global INTERPOL police operation」において、世界中の捜査当局と連携した「HAECHI-III」と呼ばれる作戦を実施し、さまざまなサイバー犯罪やマネーロンダリングに関連する組織の取り締まりを行ったと伝えた。この作戦は2022年6月28日から11月23日にかけて行われ、世界中で975人の容疑者を逮捕し、1億3000万ドル相当の暗号資産を押収したという。
ICPOによれば、今回の調査では1600件以上の事件が対象となっており、ボイスフィッシングやロマンス詐欺、セクストーション(性的詐欺)、投資詐欺、違法なオンラインギャンブルに関連したマネーロンダリングといった幅広いオンライン犯罪が特定されたとのこと。
具体的なケースとしては、韓国が指名手配した2人の容疑者が2,000人の韓国人被害者から2,800万ユーロを横領した事件や、インドを拠点とする犯罪者グループがICPOおよび欧州刑事警察機構(ユーロポール)の役員になりすましてオーストリアの被害者から資金を送金させていた事件などが取り上げられている。
HAECHI III作戦では、ICPOは「Anti-Money Laundering Rapid Response Protocol」(ARRP:アンチマネーロンダリング迅速対応プロトコル)と呼ばれるプロセスを立ち上げ、金融機関と連携して容疑者の金融口座を迅速に凍結できるようにした。ARRPでは、2022年1月以降にサイバー犯罪から合計1億2000万ドル以上の資金を回収することに成功しているという。
HAECHI IIIに参加しているのは米国、英国、オーストラリア、韓国、スペイン、スウェーデンなどの30カ国で、日本も含まれている。