キヤノンは11月24日、アメリカに新会社「Canon Healthcare USA」を設立することを発表した。今回の新設により、メディカル市場において影響力の大きいアメリカで事業の強化を図ることで、キヤノンのメディカル事業の成長を加速したい考え。
キヤノンのメディカル事業では、世界最大規模かつ影響力の大きいアメリカのメディカル市場におけるプレゼンスの向上が喫緊の課題として存在したという。アメリカにおける医療産業の集積地であるクリーブランド市近郊を候補地として新会社「Canon Healthcare USA, INC.」を設立し、メディカル事業のグローバルでの競争力強化を図る。
これまで、メディカル事業のマーケティング機能は、キヤノンメディカルシステムズの本社に集中させていたが、その機能の一部を新会社に移管し、2023年1月より「グローバルマーケティングセンター」を立ち上げ、アップストリームマーケティングを強化する。
まずは、フォトンカウンティング検出器搭載型Ⅹ線CT実用化の研究に向けてアメリカ医療機関との共同研究を開始し、早期にCTの世界シェアNo.1の達成を目指す。また、キヤノンメディカルの米国現地法人であるキヤノンメディカルUSAによる製品販売・サービスに関する機能の一部を新会社に移設し、ダウンストリームマーケティングと連携させることで、アメリカにおける画像診断領域でのシェア向上を目指したい考え。
また新会社を設立する候補地であるクリーブランド市近郊には、2019年にキヤノングループに加わったクオリティー・エレクトロダイナミクス社があり、これを新会社の傘下に位置づけることで、システム事業とコンポーネント事業の連携強化を図る。
さらに、ボストンにある「Healthcare Optics Research Laboratory」でキヤノンが10年にわたって、マサチューセッツ総合病院、ブリガム・アンド・ウイメンズ病院と進めてきた先端技術の研究活動をキヤノンメディカルが引き継ぐ。「グローバルマーケティングセンター」との連携の下、事業化を目指した共同研究を進め、将来的には、アメリカ事業のさらなる強化につなげるため、アメリカ内での開発や製造など、他の機能の拡充も視野に入れていくという。