日本メドトロニック、日立ソリューションズ、日立ソリューションズ・クリエイトの3社は11月22日、MR(複合現実)技術を使用した、手術室看護師の器械出し方法の習得を支援するトレーニング・ツールである「HoloMe(ホロミー)」を開発したと発表した。また同日に、メドトロニックが同ツールを提供開始した。

  • アイ・トラッキングの機能設定の様子と熟練看護師の目線を投影する緑のマーク

同ツールは、マイクロソフトのMRデバイスである「Microsoft HoloLens 2」を利用し、熟練看護師の目線の動きを現実の空間上に表示し録画することで、その録画データを非熟練看護師が視聴し学習できるというもの。

非熟練看護師は、医療機器の複雑な組み立て方法や操作、手術の手順に合わせた的確な器械出しの方法を、熟練看護師の映像と比較することで効率的に学ぶことができるとしている。

同ツールの特徴として3社はまず、熟練器械出し看護師の目線の動きを可視化し、教育教材としての活用の支援を挙げる。医療機器の組み立てや操作の際の熟練看護師の目線の動きを同ツールで録画し、教育教材として使用できる。

熟練看護師の動きをデータ化することで、医療機器の組み立てや操作の学習に加え、手術の手順に合わせた的確で効率的な器械出しスキルを学べる教材を作成できるとしている。また、非熟練者の学習中の目線を録画し、継続的な改善が可能とのこと。

作成した動画の視聴、または同じ医療機器の組み立てや操作、器械出しの手順を非熟練看護師も録画して熟練看護師の動画と比較再生することで、気付きが得られると共に器械出しスキルの改善を図ることが可能という。

実際の医療機器を利用しながら、3Dナビゲーションによって、医療機器の組み立てや操作方法を具体的に学ぶことが可能。また目線に合わせてテキストをスクロールするなど、ハンズフリーで操作できるという。自らのスケジュールに合わせて学習できるため、時間の有効活用が可能になるとしている。