Applied Materials(AMAT)は11月17日(米国時間)、2022年会計度第4四半期(8~10月期)および通期決算を発表した。
第4四半期の売上高は前年同期比10%増の67億5000万ドルと12四半期連続の増収を記録した。また営業利益は19億9,000万ドル(売上高の29.5%)だった。同社は10月、第4四半期の売上高について、米国の新たな輸出規制の影響で4億ドル程度押し下げられるとして見通しを下方修正していたが、同社では同様の影響が2022年11月~2023年1月期にも4億9000万ドルほど生じる見込みだとしている。
また2022年会計年度の売上高は前年度比12%増の257億9000万ドルと過去最高を記録した。売上総利益率46.5%、営業利益は77億9000万ドルであった。
同社によると、2022年11月~2023年1月期の売上高は約67億ドルと、前年同期を上回る見通しで、これはアナリストの予想よりも高く、市場からは好感をもって受け取られている模様である。
中国向け売上高比率が減少、台湾向けは増加
AMATの国・地域別売上高比率を見ると、米国政府による対中半導体製造装置輸出規制の影響が早くも表れており、2021年8-10月期では34%(2021年通年では33%)だった中国市場向け売上高比率が、2022年8-10月期には20%へと低下しており、代わりに台湾が最大市場に返り咲いている。
この中国市場について同社は、新たな輸出規制の影響で2023年10月期の売り上げについて最大25億ドルが失われることが見込まれるとしている。中国での装置販売に必要なライセンス付与を米政府が迅速に進めた場合には、影響は15億-20億ドルに留まる見通しだともしているが、米国政府の判断は予想しがたい状況にある。
短期的な支出抑えるも戦略的な投資は継続
なお、AMATの社長兼CEOであるGary Dickerson(ゲイリー・ディッカーソン)氏は、「当社は2022会計年度を堅調に締めくくる過去最高の業績を達成した。引き続きサプライチェーンひっ迫の緩和に注力するとともに、顧客の需要に応えるべくあらゆる可能な手段を講じている。地政学的およびマクロ経済上の情勢を受けて、短期的には支出の伸び率を抑えるものの、戦略的な投資は継続し、主要なテクノロジーの転換をとらえて半導体市場平均を上回る成長を目指す」と述べている。