楽天モバイルと楽天シンフォニーの子会社である英Rakuten Symphony UK(楽天シンフォニーUK)は11月21日、イギリス・サリー州ウェイブリッジに拠点を置く楽天シンフォニーUKの施設内に、「Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」を開設すると発表した。同施設では欧州・中東アフリカ地域の通信事業者・通信機器サプライヤー向けにOpen RAN技術の展示を行う。2023年3月までに開設する予定。
モバイルネットワーク技術の一つであるOpen RANは、無線の送受信装置などの仕様をオープンにして、さまざまなベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする標準化された無線アクセスネットワーク(RAN)のこと。モバイルネットワークへの需要が多様化していく中、Open RANによりマルチベンダー構成を実現することで、柔軟な機器調達やネットワークの構築コストの削減や安全性や透明性の高いRANの構築につながる技術として期待されている。
両社が今回新たにイギリスに開設する同センターでは、RANのオープン化やインテリジェント化を目的とした業界団体「O-RAN ALLIANCE」の定める仕様に準拠した通信インフラ機器の相互接続性などの評価を行う。楽天シンフォニーのO-DU(分散ユニット)と他の通信機器サプライヤーのO-RU(無線子局)などによる接続確認検証を行うことにより、マルチベンダー環境下での機器の相互接続性を評価する。
また、最新のRU/DU/CU(集約ユニット)といったOpen RANのハードウェア/ソフトウェアに加え、次世代モバイルネットワークの業務効率化や新サービス提供に活用することができるさまざまなソリューションを展示する予定。
さらにOpen RAN技術の普及を行う観点から、欧州地域などの通信事業者・通信機器サプライヤーを対象とするワークショップを実施し、Open RAN関連の政策や最新の技術動向・取組を紹介していくとのことだ。