アイ・ティ・アール(ITR)は11月21日、国内のビジネスチャット市場規模推移および予測を発表した。

  • ビジネスチャット市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)

    ビジネスチャット市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)

ビジネスチャット市場の2021年度の売上金額は188億円、前年度比27.0%増。市場を構成するほぼ全てのベンダーが2桁の伸びを示し、なかでも市場に大きな影響力を持つ上位3社が売上金額を30.0%以上伸ばしたことが市場拡大の大きな要因だという。

ビジネスチャットはコロナ禍以降、主要なビジネスコミュニケーションの手段として定着。そのハブとして他製品・サービスとの連携拡大によるプラットフォーム化、テキスト以外のコミュニケーション機能の実装、データ共有などのコラボレーション機能の実装など、高機能化が進み、適用範囲も拡大していることから、新規、既存の追加を問わず、今後も導入が進むとITRは予想する。

また、シェア上位のベンダーによって寡占化が進みつつあるが、今後もそれら上位ベンダーが市場の成長を牽引すると予想。これにより、同市場のCAGR(2021~2026年度)は13.9%、2024年度に市場は300億円規模に、2026年度に2021年度の2倍程度の規模になると予測した。

ITRのシニア・アナリスト・舘野真人氏は、次のようにコメントしている。

「リモートワークの拡大により、非同期型コミュニケーションを実現する手段のひとつとして定着したビジネスチャットですが、シェア上位の製品・サービスは、音声/ビデオ通話やアプリケーションとの連携などにより、プラットフォームとしての性質を強めてきています。今後は、コミュニケーション手段としてだけでなく、ワークフローの実装や業務の自動化を実現する基盤としての利用が進むと予想されます」