ルネサス エレクトロニクスは11月17日、11月16日にNASA(米国航空宇宙局)が打ち上げた大型月探査ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」による2025年に予定されている有人月探査に向けた無人の試験ミッション「アルテミスI」に、50種類以上の製品を含む数百個の耐放射線ICが搭載されたことを発表した。
搭載された製品のほとんどが、同社が買収したIntersilブランドのもので、SLSのバッテリマネージメントシステムやRS-25ロケットエンジン制御システム、緊急脱出システムの一部に搭載されたという。また、宇宙船「オリオン(Orion、オライオンとも)」に搭載されている、コントローラボード、メインフライトコンピュータ、ドッキングカメラシステム、配電システム、ディスプレイおよびパネル機器などの動作に不可欠なコンポーネントを提供しており、電源管理や正確な信号処理など、さまざまな機能の実行を担っているともしている。
なお、ルネサスでは、Intersilブランドとして現在、400種類以上の宇宙仕様の耐放射線製品を用意しており、それらは米国フロリダ州パームベイにある自社のIntersil MIL-PRF-38535認定施設で、一貫した設計と製造が行われ、クラスV(宇宙レベル)に完全準拠していると説明しているほか、Intersilブランドは米国RHA防衛庁(陸海軍)のQMLサプライヤ、15社のうちの1社であり、個々のDLA(Defense Logistics Agency) SMD(Standard Microcircuit Drawing)仕様、規格に準拠していると説明している。