ルネサス エレクトロニクスは11月16日、産業機器やIoT機器向けに、Wi-Fi製品群を包括的に提供していく計画を発表した。

具体的には、2021年に買収したCelenoの技術をベースに、Wi-Fi 6/6E、Wi-Fi 7に対応する製品を開発し、幅広いWi-Fiクライアント・アクセスポイント機器向けに提供していく予定としている。

すでにCeleno時代の2019年より、Wi-Fi 6製品として「CL8000ファミリ」がローンチ済み。現在は、Wi-Fi 6Eのトライバンド無線(6GHz/5GHz/2.4GHz)に対応し、160MHzチャネル帯域幅、最大2.4Gbpsのデータリンク速度をサポートする2×2 Wi-Fi/BLE 5.2コンボチップのサンプル出荷も開始しているとするほか、独自技術であるWi-Fiドップラーイメージング技術を搭載したWi-Fi 6Eチップセットの開発も進めているとする。このWi-Fiレーダ技術は、標準的なWi-Fi信号を使用して、人や物を検出することができるため、家庭や商業施設などで、複数のカメラやセンサを使用する必要性がなくなると同社では説明しており、1年半後の2024年上半期での提供開始を予定しているとする。

また、Wi-Fi 7については、2024年にリリースを予定しており、同社では携帯電話、コンピュータ、ネットワーク機器などに早期導入される見通しのほか、その後、IoTや産業用および民生用アプリケーションにも普及が進むことが見込まれるため、そうした組込機器向けWi-Fi 7ソリューションの提供も予定していくとする。

なお、同社はホームゲートウェイ向けの高速Wi-Fi 6ルータや、5Gネットワーク向けのIEEE 1588ワイヤレスソリューションなど、Wi-Fi製品とほかの自社製品を組み合わせた多数のウィニング・コンビネーションをすでに提供済みで、今後も、ビデオIP電話、スマートホームセキュリティ端末、クイックコネクトIoT用Wi-Fi 6ボードなど、Wi-Fi 6を用いたウィニング・コンビネーションソリューションを開発、提供していくとしているほか、2×2 MIMOで広帯域、高性能なWi-Fi 6クライアントを必要とするIoTアプリケーション向けに、クイックコネクトIoT用のWi-Fi 6とBLE 5.2のコンボボードもリリースする予定だとしている。

  • ルネサスのWi-Fi 6/6Eチップイメージ

    ルネサスのWi-Fi 6/6Eチップイメージ