日立製作所(日立)グループで鉄道システム事業を手がける日立レールは11月18日、カナダオンタリオ州でインフラを管轄するインフラストラクチャー・オンタリオおよびトロント市近郊の交通を管轄するメトロリンクスから、コンソーシアム「Connect 6ix(コネクトシックス)」のリーダーとして、地下鉄オンタリオ線向け車両、鉄道システム、運行・保守を共同受注したと発表した。受注額は90億カナダドル(約9500億円)。同プロジェクトでは車両、鉄道システムの納入だけでなく、30年間の運行・保守を行うという。

  • 車両外観(イメージ)

    車両外観(イメージ)

  • 車両内観(イメージ)

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オンタリオ線は、総延長15.6キロメートルの新しい地下鉄路線。最短90秒の運転間隔で駅を結び、トロント市中心部での高頻度な高速輸送サービスを実現している。完全自動運転システムを採用しており、1時間・片方向当たり最大3万人の輸送能力を有している。西側のエクシビション/オンタリオ・プレース駅と東側のオンタリオ・サイエンス・センター駅を結ぶ本路線には、15駅が設置され、そのうち8駅が地下に建設される予定とのこと。

コネクトシックスコンソーシアムは、車内WiFiやデジタル旅客情報システムなどの技術を採用した最新型の自動運転車両を納入する。最高速度80キロメートル毎時の新型車両は、電気のみで駆動。オンタリオ線は、市内の道路から1日当たり最大2万8000台の自動車を減らす効果によって、渋滞を緩和する狙いがある。

同プロジェクトは日立の鉄道システム事業において、カナダで受注した2件目の大型インフラプロジェクトとなる。タレス社のグラウンド・トランスポーテーション・システムズ部門を買収後、カナダで約1000人の従業員が加わる予定。日立レールは現在、北米に1200人以上の従業員を抱えており、100以上のプロジェクトに取り組んでいる。カナダでのビジネス拡大は日立の北米市場での成長戦略に沿ったものとしている。