DNS/DHCP/IPアドレス管理(DDI)のソリューションを提供するBlueCatはこのほど、記者説明会を開催し、ハイブリッドクラウド環境におけるネットワーク運用管理の課題とその解決策について紹介した。
初めに、ジャパンカントリーマネージャーの中原浩輝氏は、「これまで、当社のDDIソリューションは大手企業を中心に導入されていた。しかし、DHCPサーバ、DNSサーバの管理において、さまざまな事故が生まれており、DDIにまつわる課題はもはや大手企業だけが抱えるものではなくなってきている」と語った。
続いて、Chief Strategy Officer(最高戦略責任者)のAndrew Wertkin氏が説明を行った。同氏は、「DNS/DHCP/IPアドレス管理は、企業のネットワークの要であり、機能しないと企業が機能しない」と、DDIの重要性を訴えた。
では、DDIとは何をするのか。具体的には、「企業全体のIPアドレスとドメイン名を統合的に管理すること」と「企業全体のDNS/DHCPサービスを制御すること」を、アーキテクチャとして分離することで、スケーラビリティ、セキュリティ、高いパフォーマンスおよびネットワークの機敏性を実現する。
同社のDDIソリューションは、「企業のハイブリッドクラウドネットワーク上のIPアドレスデータおよびDNSデータの記録のシステム」「企業のDHCPおよびDNSのコアサービスのコントロールセンター」としての役割を果たす。
GUIとAPIから、オンプレミスとクラウドを跨る検知と更新の機能を提供する。更新機能は、オンプレミスとクラウド両方の権威DNSデータの即時更新を行う。
昨今、企業においてはシステムのクラウドへの移行が進んでいるが、DNS/DHCPサービスにおいてもクラウドへの対応が求められている。
Wertkin氏は、「あらゆる業界でクラウドへの移行が進んでいる。クラウド移行に伴い、データセンターのチームとクラウドのチームが連携していないことが課題となっている。クラウド移行に成功している企業はクラウドとネットワークのチームが統合している。つまり、クラウドに移行する際は、ネットワークの統合が必要となる」と説明した。
企業では、DHCP、DNSがバラバラに管理されているが、これにより、ネットワークの複雑性が生まれてしまう。この状態では、1つの変更がすべてに影響してしまうため、シングルコントロールプレーンが必要になる。しかし、BlueCatの製品を使うと、単一の画面で管理できるようになるという。
さらに、Wertkin氏は、複数のパブリッククラウドの利用が進んでいる今、新たな課題が生まれていると指摘した。
「パブリッククラウドはそれぞれDNS、DHCP、IPアドレスを持っている。クラウド利用はシャドーITから始まることが多い。クラウドはビジネス部門が勝手に使い始め、企業ネットワークに統合されていない。BlueCatはDDIの管理と自動化により、こうした課題を解決する」(Wertkin氏)
Wertkin氏は、DDIを導入して効果を上げている企業として、製造業と運輸業を紹介した。例えば、製造メーカーにおいては、Microsoft DNSとDHCPを導入しており、Microsoft ADの手動による変更管理やDHCPの頻繁な停止のほか、DNSクエリの解決に無駄な時間が生じているなどの問題が発生していた。
こうした環境に対し、「BlueCat Integrity」でDNS、DHCP、IPアドレス管理を行い、ServiceNow製品と「BlueCat Gateway」を連携させて、自動化を推進しているという。
あわせて、「BlueCat Edge」も導入して、月間50万件のDNSクエリをブロックしてユーザーを保護しており、Wertkin氏は「ファイアウォールでブロックすることも可能だが、DNSでブロックするほうが効率もよくコストも低い」と語っていた。