ソフトバンクグループの英半導体設計子会社であるArmは11月11日、開発者のワークフローを加速させ、IoTソフトウェア開発を支援するため、ソフトウェアデベロッパーである米GitHub、ソフトウェア企業の米Qeexo、米Nota AIの各社との新たな協業を発表した。
世界中で9000万人以上の開発者に利用されているGitHub。Armベースチップの累計出荷個数は2300億個に上り、GitHubとArmは現在、Armの組み込みデバイスの開発者体験のさらなる進化に向けて協業している。具体的には、ビルド、テスト、デプロイのパイプラインを自動化する開発者向けCI/CDプラットフォームである「GitHub Actions」にArmの開発ツールを統合している。これにより、IoT・組み込み開発者は作業のさらなる迅速化を図りつつ、Armベースチップを最大限に活用できるようになっているという。
そしてQeexoとNota AIの両社がArmが1年前に発表した「Arm Virtual Hardware」にシステムを統合。Arm Virtual Hardwareは、Armのサブシステムとサードパーティの開発ボードの仮想モデルを提供するクラウドベースのサービス。今回の協業により年内にはそれぞれのプラットフォームの開発ターゲットとして利用することができるようになるという。また、これらのAutoML(自動化された機械学習)プラットフォームは、MLワークロードのアクセシビリティとデプロイのパラダイムを一変させるとしている。
Armはこれらの協業により、開発者による作業の迅速化を支援することで、最新のイノベーションを市場に投入し、IoTの大規模な機会に対応していく考えだ。
ArmのIoT事業部門シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるポール・ウィリアムソン(Paul Williamson)氏は、「Armが目指しているのは、イノベーションの現場で必要なツールが開発者に与えられる環境。新たなパートナーシップにより、Arm Virtual HardwareをはじめとするArmのクラウドベースの開発ツールのネイティブ統合を提供し、開発者のワークフローを加速していく」と述べている。