「ET&IoT」が「EdgeTech+」に名称を変更
組込みシステム技術協会が主催する「EdgeTech+ 2022」が2022年11月16日~18日にかけてパシフィコ横浜にて開催される。
同展はこれまで要素技術から応用分野まで幅広い組み込み・エッジテクノロジーの展示会「ET&IoT」として開催されてきたものを、エッジテクノロジーに新たなプラスで顧客起点の価値創出を実現するイベントへ、というコンセプトの元、「事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展」へと進化・発展させ、名称を変更したものとなる。11月8日、組込みシステム技術協会およびEdgeTech+運営事務局は、この名称変更などの背景などについてのメディア向け説明会を開催した。
製造業を取り巻く環境として、現在デジタルトランスフォーメーション(DX)が話題になっているが、その軸は製造効率改善と思われがちだが、デジタルツインの考え方に基づけば、製品が常に進化を続け、顧客価値の向上を生み続けるという点にあると言える。
そうした顧客起点での価値創出を可能にする新たな開発手法やマネジメント思考、要素技術などが次々と登場してきている現在、それらをキャッチアップするために必要な施策を打ち出すために、技術の枠を超えた事業レベルでの変革が急務だという。その端的な例としてソフトウェアファーストで、リーンやアジャイルといった手法による開発の短期間化が求められるようになっているとするほか、クラウドネイティブの開発環境の導入などを挙げており、エッジとクラウドの両方を理解しないと、製造業としてDXの活用が難しくなるとの見方を示しており、従来のエッジの部分と新たな技術部分をすべて体験することができる場となることを目指すべくEdgeTech+と名称を変更したとする。
+(プラス)部分となる新たな取り組み
コアとなるのは、従来同様の組込技術(エッジ)であることは変わりないが、その周辺を応用産業分野への実装、そしてさらにそれをさまざまな新たな技術が取り巻くという3階層の構造を想定するとしている。
そうした3階層目のプラスの部分にあたる取り組みとしては、外部の団体や企業との連携を増やし、以下のような取り組みを実施するとしている。
- 応用産業分野:リテールAI研究会との連携によるRetail AI Expoの実施
- オープンイノベーション:横浜市、横浜未来機構との連携によるオープンイノベーションサミットの実施
- クラウドネイティブ/ソフトウェアファースト:Linux Foundationとの連携によるONE Summit Fall Japanの実施
- DX推進に向けての組織開発や開発思考:リーン/アジャイル関連団体等との連携
- 若年層のモノづくりへの興味喚起:Maker Faireとの連携、ものづくり関連コミュニティとの連携
- 関連技術の強化と新技術分野:End to End IoT Wireless企画の実施、LPWA関連団体との連携、画像認識AI Expoの実施、クラウド、セキュリティ、プラットフォーム分野への強化
こうした取り組みを含め、今回の出展社は11月8日時点で266社/749小間(うち新規出展企業128社。併催イベント含む)で、前年のET&IoT 2021の207社/266小間と比べると小間数が大幅に増え、パシフィコ横浜全体を使う規模での開催となるという。
会場では、テーマゾーンとして、LPWA・Local 5Gゾーン、クラウドネイティブパビリオン、DevOps/アジャイルパビリオン、リスキリングパビリオンなどが新設されたほか、ETロボコンも3年ぶりでリアル実施となり、展示会場の中にコースが設置されての開催形式となっている。
このほか、主催者による企画イベントとして、「チップミュージアム -mini-」が開催される。これは、マイクロプロセッサ誕生となる1971年のIntel 4004の登場から、2000年ころまでに登場したチップを一気に展示しようというイベント。2022年までではないため、miniという名前を付けたという。ミュージアムということで「秀関快郎(しゅうせきかいろう)」という名前の館長もおり、館長などによる何らかの形での各チップの解説なども行う予定だとしている。
このほか、併催イベントとして、「RISC-V Days Tokyo 2022 Autumn」なども開催。RISC-V Days Tokyo 2022 Autumnはリアル+オンラインイベントとなっており、会場に来ることができない人でも視聴することが可能となっている。
なお、EdgeTech+ 2022自体もオンラインでも開催を予定しているが、こちらは2023年1月10日~2月10日までと、リアル会場での開催期間とは異なっているため注意が必要である。