大日本印刷(DNP)とDNPアイディーシステム(IDS)は11月11日、自治体の窓口などでIDカード(マイナンバーカード/在留カード/特別永住者証明書など)の住所変更などに使われている「DNP券面プリントシステム」に対応する新型プリンタである「Zenius-is2」を発売すると発表した。
新製品は高精度のスキャナを搭載し、ICチップ内の情報の参照に必要な照合番号をOCRで自動的に読み取り、PCの画面に表示する。
国内の500以上の自治体で約1600台が採用されているという現行プリンタである「Zenius-is」と比べ、作業者がプリンタから一度カードを取り出す手間を省けるため、作業時間を同社調べで約35%削減できると共に、手入力によるデータ作成ミスを減らすとしている。
DNP券面プリントシステムは、マイナンバーカードなどのICチップに記録している住所などの情報を画面に表示し、変更した情報をプリンタでカードに出力する。
ICチップ内の情報を呼び出すには券面記載の照合番号とICチップ内の照合番号を合致させる必要があり、従来はプリンタにカードを挿入してカード券面の画像をPC画面に表示して確認していたという。
しかし、照合番号が不鮮明で目視できない場合などもあり、作業者はプリンタからカードを取り出して照合番号を確認し、再度カードをプリンタに挿入するなどの手間が掛かっていたとのこと。
同製品は高精細なスキャナの搭載により、PCに表示する照合番号の視認性を向上し、作業時間の削減につながるとしている。また、OCRの搭載により照合番号を自動的に表示できるため、作業時間の削減と、作業者の入力ミスの低減にもつながる。券面上で照合番号の記載位置を適切にスキャンすることで、OCRの精度も向上したとしている。
両社は全国の自治体などに同システムを販売し、2024年度までに約3億円の売上を目指す。