NTTデータは11月10日、金融機関が店舗やアプリなど複数の顧客接点(チャネル)を横断的に開発し、クロスチャネルを実現するためのプラットフォームを2023年度内に開発する方針であることを明らかにした。
このプラットフォームはOpenCanvas上に構築し、システム開発者が現金や現物も取り扱う対面サービス向けのアプリケーションと、Webやスマホアプリによる非対面サービス向けのアプリケーションを同一のクラウド上で横断的に開発できるようになる。
対面および非対面で受け付けた取引データを統合してバックエンドシステムと連携することで、受け付けから後方事務を含めたトータルでのコスト削減を促す。複数の顧客接点をシームレスにつなげた顧客体験を実現し、顧客満足度の向上を支援するとのことだ。
また、特定のチャネル向けに開発したプログラムなどの資産を他のチャネルに流用できるようになり、既存の分断したシステムが前提の開発に比べて素早く低コストでサービスを拡充できるようになるという。店舗からスマホ、スマホから店舗のようにチャネルやシーンをまたぐ場合においても、顧客に対して切れ目のない応対ができるようになると期待できる。
プラットフォームに接続するデバイスは相互に情報共有可能であり、顧客と行職員が相対して手続きを進める場面において、顧客の入力作業を相対する行職員の手元のデバイスからリアルタイムに支援するような作業も可能となる。
さらに、ローコード開発ツールやテンプレートも備える予定だとしており、行職員自らがシステムを開発する内製化を支援するだけでなく、開発経験を通じて金融機関のデジタル人材を育成し、金融機関自身でアプリケーションをカスタマイズしながら顧客に合わせたサービスを提供できる体制作りにも寄与する。