日立製作所は11月10日、クラウド関連サービスを統合・強化し、IT基盤のモダナイズを加速するという「IT基盤/運用高度化オファリング」として順次提供開始した。同オファリングは、同社が培ってきたパブリック・クラウドと基幹システム双方の構築・運用ノウハウをまとめたベスト・プラクティスを基に、IT基盤のモダナイズに関するコンサルティングから設計・構築、運用までをワンストップで提供するもの。
新ソリューションでは、同社のコンサルタントとエンジニアが、経営戦略・人財・ITの観点でIT基盤のモダナイズに向けた構想や全体方針、推進計画などのグランド・デザインの策定を支援する。
また、マルチ・クラウド環境のIT基盤の包括的なマネージ・ドサービスを提供する新サービスである「Cloud and Application Managed Service(CAMS)」により、クラウド移行・再構築やセキュリティ環境を含めた運用の高度化を段階的なアプローチで円滑に推進する。
さらに、継続的な運用効率化に向けて、先進のAI(人工知能)・コード化技術を使用した段階的な運用自動化も支援していくとしている。
CAMSは、IaC(Infrastructure as Code)の仕組みを用いてハードウェア/OS/コンテナなどのベスト・プラクティクスな設計をテンプレートとして蓄積することで、運用環境を含めたIT基盤の構築を自動化する。
また、IT基盤やその上で稼働するサービスの状態を複数のクラウドを横断して統合的に収集し、ダッシュボードでリアルタイムに可視化するオブザーバビリティ対応の監視・運用システムを提供する。
これらにより、IT基盤の構築を迅速化すると共に、インシデント対応やサービス拡大に伴う運用業務の肥大化・属人化を防ぎ、ユーザー企業のビジネス・アジリティ向上に貢献するとしている。
オプション・メニューとして、パブリック・クラウドを使用したIT基盤の設計プロセスを効率化する「クラウドリフト向けサービスプラットフォーム」「クラウドネイティブ*3向けサービスプラットフォーム」を提供する。
これらによりIT基盤の要件定義や基本設計を効率化することで、ユーザー企業はアプリケーション開発への注力が可能という。
同じくオプション・メニューとして、同社のセキュリティ監視センター(SOC)のセキュリティエキスパートによるセキュリティ運用のサポートする「マネージドセキュリティサービス」を提供する。
同社はオンプレミスやプライベート・クラウド環境を対象とした同様のサービスを提供しており、今回、パブリック・クラウド(アマゾン ウェブ サービス(AWS)およびMicrosoft Azure)を対象とするサービスを追加した。
これにより、クラウドに精通したセキュリティ人財が不足しているユーザー企業でも、安全・安心なマルチ・クラウド運用を実現できるとしている。