楽天モバイルは11月9日、インタープロトモータースポーツが開催した大会「2022 Inter Proto Series POWERED BY KeePer 第2大会」において、4Gおよび5G(ミリ波)を活用し、リアルとバーチャルを融合したモータースポーツの実証実験に成功したことを発表した。リアルタイム伝送によりサーキット走行車とバーチャルカーのレース対決と観戦を実現させたという。
同実証実験は、大会の会場「富士スピードウェイ」(静岡県)と、「楽天モバイル 恵比寿店」(東京都)の2地点で同時に行われた。「富士スピードウェイ」でサーキットを実際に走行する試験車と、「楽天モバイル 恵比寿店」内にあるレーシングシミュレーターを使いeレーサーが運転するバーチャルカーの双方から取得したデータが活用された。
実証実験の結果、eレーサーが「楽天モバイル 恵比寿店」で運転するレーシングシミュレーターに、「富士スピードウェイ」を走行する試験車のデータをリアルタイムで伝送することにより、ゲーム画面上で、試験車とバーチャルカーによるeレースが実施できた。
具体的には、サーキットを走行する試験車に搭載したハンドル角度などを計測する各種センサーや、GPS、カメラなどから、車両のさまざまなデータを取得・伝送するシステムを活用し、eレース用にバーチャル化された試験車をゲーム画面上に表示させることに成功した。レーシングシミュレーターとゲームサーバーの通信には5G(ミリ波)を活用、低遅延で臨場感のあるレース体験を実現したとしている。
また実証実験では、レースにおけるバーチャルカーのリアルタイム同期AR(拡張現実)表示およびカーレース情報のAR表示にも成功した。「富士スピードウェイ」において、観客席から、楽天モバイルが開発した専用アプリケーションを搭載したスマートフォンをコースにかざす、もしくはスマートグラスを着用しレースを観戦することで、実際にサーキットを走行する試験車と、「楽天モバイル 恵比寿店」でeレーサーが運転するバーチャルカーが対決する様子を確認できたという。
さらに、走行中の試験車とバーチャルカーからとれる走行データ(走行位置、走行速度、エンジン回転数など)や、レーシングドライバーの視点映像、およびeレースのゲーム画面映像も同アプリ上でAR表示できたという。
楽天モバイルは今後、5G環境の整備を進め、大規模なリアルとバーチャルを融合したモータースポーツの大会開催や、来場者がどの観客席からでもリアルタイムにレース状況を確認できるようなマルチアングル配信などを実施していく考えだ。