NECは11月8日、生体認証「Bio-IDiom」のフラッグシップサービスとして、顔認証技術と虹彩認証技術を組み合わせた「マルチモーダル生体認証ソリューション」を提供すると発表した。

日本国内では2023年2月から製品の出荷を開始し、海外向けには2023年春以降に順次販売を開始する予定だ。

同ソリューションの価格(税抜、参考)は、専用認証デバイス「Bio-IDiom Multimodal Device」3台によるサーバーレス構成の場合で300万円からとなる(ハードウェア、ソフトウェア、初期設定費用を含む)。

なお、保守費や周辺システムとの連携に関する費用は、上記参考価格には含まれない。ID管理には認証ソリューションの購入が別途必要となる。

  • 専用認証デバイス「Bio-IDiom Multimodal Device」

    専用認証デバイス「Bio-IDiom Multimodal Device」

同ソリューションでは顔検出を利用して虹彩位置を特定する。これにより、利用者は認証端末の前に立つだけで本人認証を行うことができる。なお、誤認証率(他人を本人と誤って受け入れる確率)は100億分の1以下の精度となる。

従来は取得が難しかった虹彩情報を正確に捉えられるため、同ソリューションでは利用者の身長に合わせてカメラを上下に自動で位置を調整することができる。また、マスクやゴーグル・サングラス・帽子・手袋などの着用時や、両手が荷物で塞がっているようなシーンでも本人認証が可能だ。

  • 「マルチモーダル生体認証ソリューション」の認証フローのイメージ図

    「マルチモーダル生体認証ソリューション」の認証フローのイメージ図

同ソリューションでは、パラメータ設定や撮像環境の最適化検証など生体認証ならではの複雑な設計が不要だ。また、REST API(REpresentational State Transfer)に対応しているため、入退室管理などの他のシステムと連携できる。

NECでは、従来から生体認証が活用されてきた用途に加え、パスワードなどとの併用が求められる厳格な入退場管理、店舗での決済やATMでの本人確認決済など、幅広い利用シーンでの活用を想定している。