日本電信電話(NTT)は11月7日、多様な計算資源を柔軟に連結し、計算処理に必要な資源のみを最適に利用可能とする新たなコンピューティング基盤を開発しその動作を実証したと発表した。
今回NTTが開発したのは、多様な計算資源を柔軟に連結しながら各サーバに割り当てることを可能とする次世代コンピューティング基盤。
GPU、FPGA等の様々なアクセラレータを各々複数枚搭載しながら、アクセラレータの種類毎に計算資源をプール化し、各アプリケーションに実行される処理に応じて最適なアクセラレータを必要な量だけ割り当てる。さらに、CPUを介さずにアクセラレータ間のデータ転送を実現し、膨大なデータ転送に起因するCPUボトルネックを防ぐという。
同コンピューティング基盤を活用し、スマートシティ向けのカメラ映像AI分析システムを評価した。シーン変化に応じて最適なアクセラレータを必要量割り当てることにより、従来技術によるシステムと比べ1カメラあたりの消費電力を平均約320Wから、約120~80Wへの低減(電力効率を約2.5~4倍まで向上)できることを実証したという。
今後は、IOWN Global Forum会員と共に本コンピューティング基盤の適用分野を拡大しながら、様々な分野での導入を目指すと同時に、アクセラータ間のデータ転送路にNTTが開発を進める第三世代光電融合デバイスを適用し、2025年を目処に電力効率向上効果を8倍に高め、2026年の商用化を目指すという。
さらには、第四世代光電融合デバイスの実装によりシステム内部での光接続による構成を完成させ、さらなる電力削減可能なシステムの本格事業展開を目指すとしている。
なお、NTTは同技術を11月16日~18日に開催される「NTT R&Dフォーラム- Road to IOWN 2022」で紹介する。