日本電信電話(以下、NTT)、NTTデータ、香味醗酵は11月2日、NTTが開発を進める次世代光イジングマシン「LASOLV」とNTTデータのデータ分析技術を活用して、少数の匂い成分でさまざまな匂いや香りを瞬時に再構成する実機検証を開始したことを発表した。これにより、匂い情報の記録や保存、転送、再現が可能となり、映像産業やメタバースに匂い情報を実装した新たな産業の創出も期待できるとのことだ。
香味醗酵が保有する数千種類の匂い成分から最適な組み合わせを計算する仕組みだという。香味醗酵は人が感じる全ての匂いの情報をデジタルデータとして記述する技術と、この技術を用いた匂いデータベースを構築し、求める匂いを少数の匂い分子の組み合わせで再構成する技術を開発する。
一方で、匂いを再構成するためには、40万種類以上もの匂い分子の匂いコードを組み合わせて、かつ経時的変化(波形データ)の形状もそろえる必要があるため、膨大な数の組み合わせよる試作と評価を繰り返す必要がある。こうした課題に対して、NTTのLASOLVと、NTTデータの有するデータ分析技術を活用するに至った。
匂い分子の組み合わせ最適化においては、従来の実験プロセスに対してLASOLVの計算力とNTTデータの数理モデルの構築技術を応用することで、選定される解の候補の精度が向上するのかを検証する。また、従来の手法と比較してどれだけ開発期間の短縮につながるのか、より良い香料が生み出せるのかも比較する。