伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は11月1日、エッジAIソリューションのPoC(Proof of Concept:概念実証)を短期間で開始できるスターターパックの提供を開始すると発表した。カメラが読み取った映像データをエッジデバイスAIで解析する仕組みで、業務効率化に取り組む製造業やリテールなどの企業を中心に展開していく考え。直接販売に加えて、パートナー企業経由の販売も行い、3年間で100件の提供を目指す。

同パッケージは、カメラとAI機能を持つエッジデバイス、データを収集・蓄積するクラウドサービス、ダッシュボードのBIツールが一体となったプラットフォーム。エッジデバイスは、AIによる画像解析のアプリケーションを組み込んだRaspberry Pi(ラズベリーパイ)で、カメラで撮影した映像データはデバイスで解析し、クラウドサービスに保存される仕組みだ。

解析結果のデータはダッシュボード機能で可視化される仕組みで、大規模なシステムを構築することなく、本格的な導入に向けたエッジAIソリューションのPoCが短期間で開始できるという。また、収集したデータは、解析後に削除される仕組みのため、個人情報を保有せずにプライバシーに配慮してPoCを実施することが可能。

  • 活用事例のイメージ図

    活用事例のイメージ図

またAIによる画像解析は、人の属性推定、既存の計器の自動読み取りなど、複数の解析から選択できる。例えば、店舗内での映像から来店者の性別・年代、滞在時間などを分析し、商品の仕入れや陳列に関するマーケティングなどに応用できる。また、工場内にあるアナログ・デジタル計器を読み取り、記録作業を自動化して、作業の効率化や人為的なミスの防止につなげることも可能だ。

同社はパッケージの提供に加え、PoCやデータ分析のコンサルティングサービス、技術支援サービスなどを提供していく考えだ。