画像フォーマット「JPEG」を置き換える目的で開発されている画像フォーマットは複数存在している。その取り組みの一つに「JPEG XL」がある。現在策定が進められている段階にあり、最終的に「ISO/IEC 18181」として標準化されることが予定されている。
しかし、この画像フォーマットが大半のWebブラウザで使用できるようになるのはだいぶ先になるかもしれない。2022年10月31日(協定世界時)、「1178058 - JPEG XL decoding support (image/jxl) in blink (tracking bug)」において、ChromiumからJPEG XMLのコードとフラグを削除することになった理由が投函された。
その主な理由は次のとおり。
- エコシステムの観点からみて、JPEG XLの実験を継続するための十分な関心が得られているとはいえない状況にある
- JPEG XLは既存のフォーマットと比較してデフォルトで有効にすることを保証するほどには十分なメリットが得られない
- M110のコードとフラグを削除することでメンテナンス負荷を軽減することができ、Chromiumの既存のフォーマットの改善に集中することができる
- 実験的なコードやフラグをいつまでも残しておくべきではない
Google Chromeは世界で最も多く使われているWebブラウザ。Chromiumの実装はそのままChromeへ取り込まれるため、Chromiumがどの画像フォーマットに対応するかどうかは、その画像ファイルがWebサイトで使えるかどうかを大きく左右することにつながる可能性が高い。JPEG XLの策定の進行具合と今後のChromiumにおける対応が注目される。