ステレオカメラとAIを応用したクレーン作業現場の安全支援システム、リコー

リコーインダストリアルソリューションズは10月31日、東洋建設と共同で実証実験を実施し「クレーン作業安全支援システム」を開発したことを発表した。このシステムは、国土交通省が新技術の共有と活用を目的として整備したデータベース「NETIS」に登録されたという。

• クレーン作業安全支援システムの概要図

今回開発したクレーン作業安全支援システムは、従来は誘導員が目視で対応していたクレーン作業現場における安全確認を、デジタル技術で支援する。リコーインダストリアルソリューションズのステレオカメラ技術に加えてAI（Artificial Intelligence：人工知能）認識技術を用いており、吊り荷と作業者を自動検出してその位置関係を立体的に測定できる特徴を持つ。

• 人やフックを認識している例

測定結果をもとに衝突の危険性を検知し、クレーン操縦者に知らせることで衝突事故を防ぐ仕組みとのこと。建設、土木、製造業をはじめとする、作業の安全性を課題とするさまざまな現場での活用が見込めるという。

クレーン作業安全支援システムは、クレーンの先端に設置したステレオカメラの映像から、吊り荷と吊り下ろし場所の作業員の位置を検出および追尾し、吊り荷と作業員が接近すると警報を発して作業員全員の安全作業をサポートする。

また、クラウドと連携することで、遠隔地の管理者への通知や、作業状況の記録も可能だ。ブラウザ上でアプリを活用することで、同システムによって抽出された各現場の危険シーンや作業シーンの録画を使用して、各現場での危機管理の学習も可能とのこと。

• カメラを取り付けている現場の様子